Brett AndersonのCoal Black Mornings 翻訳ブログ

Brett Andersonの自伝翻訳ブログです!

CBM その36

ブレ様自伝翻訳行きます! 相変わらずのNO!SU I KO! それでもOKという方のみご覧ください。原典読まれた方で、明らかに違う箇所ありましたらご指摘お願いします。誤字脱字のご指摘もお願いします。

 

 80年代の始め、僕の姉は家を出た。僕にとっては微かに神話めいた、年金受給者に牛耳られた、衰退した、サウス・コーストのリタイア者のためのリゾート地、ワーシングのアート・スクールに通うためだ。休むことを知らない、騒々しい若い芸術学生のサブカルチャーともぞもぞと動く年金受給者の軍隊の精気ない並列に僕は熱狂した。そこで、姉はティムに出会った。しばらくの間、ちょっとだけ僕の兄のようになった青年だ。彼は60年代の音楽の大ファンで、その熱狂は感染るものだった。彼らは一緒に僕に忘れられた音楽、ビートルズキンクス、ボウイ、フー、ツェッペリン、全てのプレ・パンクのレコードを紹介した。80年代の始め、容赦ないファッションの行進によって脱ぎ捨てられていた音楽だった。憶えておかなければいけないのは、これは光沢紙の音楽月刊誌やYouTubeや色んな音楽をシャッフルしたプレイリストや本当のリヴァイヴァルの前だったということだ。わざわざ過去の音楽を調査しようとする者に何の期待もなかったし、そうとも思われていなかった。それらの覆いを外すのは一種の息もつかない、考古学的なスリルに巻き込まれることだった。他の子たちがトンプソン・ツインズのチャート音楽やポスト・パンクにハマり出した間、僕はジェファーソン・エアプレーン、ロバート・ワイアット、初期のフロイドのレコード、ぼんやりとした過去から歌を基調とした遺品を掘り起こし始めた。父のぼんやりとした響きから微かに逃れた部屋で、階段から外れ、わずかに逸れていくこの悦びに僕は浸った。