Brett AndersonのCoal Black Mornings 翻訳ブログ

Brett Andersonの自伝翻訳ブログです!

CBM その35

ブレ様自伝翻訳行きます! 相変わらずのフワッとした雰囲気翻訳! それでもいいよー、という方のみご覧ください。原典読まれた方で、明らかに違う箇所ありましたらご指摘お願いします。誤字脱字のご指摘もお願いします。

 

 父は、母が父のために作ったスリーピースのスーツをよく着て、完璧に着飾っていた。僕が彼を知っている38年間の全てで、父がネクタイをしていない時を見たことがない。僕が持っている若い時の父の白黒のボックス・ブラウニーの写真では、ラット・パック(イギリスの非公式エンターテイメント集団)様式のスーツを粋に着こなし、ジェームス・ディーンのように髪を整えていた。けれど、いかがわしい70年代の流行は彼を、ロマノフ朝の心得を持ったしわくちゃのヴィクトリア朝のオヤジにしてしまった。髭をはやし、上品に、みずぼらしい赤の継ぎはぎをした古めかしい絹のガウンでくつろぎ、ブライア材のパイプをヤニで汚れた歯の間に永久に固定し、煙を大きく吐き出しながら空気を厚く青みがかったものにしていた。彼の別のヒーロー、T.E.ロレンスへの奇妙なオマージュで、どうにかして完璧なアラブ服を手に入れ、皮肉な苦渋に満ちた平行世界でピーター・オトゥールアイルランドの俳優)のダブルキャストが欠席したような出立で、よく団地を行進していた。